貧血とは
赤血球の中には、たんぱく質の一種であるヘモグロビンが含まれています。この成分は、肺から取り込まれた酸素を全身の細胞に運搬する重要な役割を担っています。そのため、ヘモグロビンが少なくなると、全身に十分な酸素を供給できなくなり、貧血と呼ばれる状態に陥ります。これに伴い、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、疲れやすいといった症状がみられるようになります。
貧血の原因
貧血が起きる原因はひとつではありません。例えば、ケガや病気のために血管が破れて出血し、ヘモグロビンが失われるために貧血が起きる「出血性貧血」、ヘモグロビンをつくるために必要な材料(鉄など)の欠乏から起きる「鉄欠乏性貧血」、ビタミンB12や葉酸の欠乏などが原因となる「巨赤芽球性貧血」、赤血球が破壊され過ぎてしまう事で起こる「溶血性貧血」など、たくさんのタイプの貧血があります。当クリニックでは、こうした様々な原因を突き止め、治療につなげていきます。
主な治療法
患者様の訴えや症状などから貧血が疑われる場合は血液検査を行います。さらに、貧血をきたしている原因を突き止めるため、様々な検査を追加して詳しく調べます。こうした検査の結果を踏まえ、治療方針を決めます。例えば鉄欠乏性貧血の場合は、鉄剤の内服や静脈注射を行います。なお、鉄剤を服用すると、嘔気や便秘、腹痛、下痢などの消化器症状がみられることがよくあります。便も黒くなるので不安に思われる方もいらっしゃいますが、心配しなくても大丈夫です。お薬に含まれる成分によって2~3ヵ月ほどで貧血が改善していきます。
貧血の予防
貧血を改善していくには、鉄剤などによる薬物治療だけでなく、普段からの食事を見直すことも大切です。下表にお示ししたように、鉄分が多く含まれている食事をしっかりと摂取するようにしましょう。なお、スナック菓子や炭酸飲料、ジュース類を摂り過ぎると、鉄不足の原因になることもあります。医師の指導のもと、健全な食事の習慣を心がけてください。
鉄が比較的に多く含まれているもの
キクラゲ、焼のり、青のり、ヒジキ、ゴマ、大豆、納豆、ほうれん草、パセリ、レバー類、アサリ、しじみ、はまぐり、煮干し、ブリ、牛肉 など